上海料理に欠かせないのが蟹、中でも9月が旬とされている上海蟹。香港では大閘蟹と呼ばれといるものです。肉厚でたんぱく質が豊富で栄養価も満点です。英語ではHairly Crabと呼ばれるように脚とハサミに沿ってびっしりと毛が生えています。上海がにの主な産地は揚子江下流の浙江省、江蘇省ですが、生きたまま空輸されるため、香港でも新鮮な蟹が手ごろに味わえます。
カニは「蒸す」のが伝統的な調理法です。その美味しさをより高めるために、浙江酢におろしショウガを入れたタレと共に供されることが多く、タレは消化を助けるばかりではなく、カニの持つ本来の風味を引き立てます。蟹料理には浙江省の銘酒紹興酒が良くあいます。一般家庭では消化を助ける為に生姜茶を飲むながら食すのも良いでしょう。
①雄か、雌か?
シーズンごとに、どちらかの性別のカニが美味しくなります。カニをひっくり返してみて、腹部の甲羅(こうら)が円形ならば雌(メス)で、旧暦の9月に最も美味しいとされます。また、腹部の甲羅が尖った形をしていれば雄(オス)で、旧暦の10月に最も食されます。
②重量
重いカニの方が脂肪分をたっぷりと持っているため美味です。一般的にカニの重量は189グラムから378グラム程度です。手足が太くサイズが大きい物ほど高価になります。
③身体の状態
生きているカニを選ぶときには、元気が良いかどうか確かめてください。目の周りを触って見ると目がくるくると早く動き、口からあぶくを吹いているのが元気な証拠です。また、甲羅は濃い緑色で艶(つや)があり、脚が黄金色(黄金色)でびっしりと毛がはえている物が最も良いとされています。
④しっかりとした脚と爪
良いカニは、力強く筋肉質の脚と爪を持ってます。
[上海ガニの美味しい食べ方]
①まず、腹部から甲羅を開き、胴体から外します。
②爪を胴体から外し、背部の甲羅を開きます。
③脚を胴体から外して、胴体を半分に割ります。
まずは、一番美味な部分であるクリーム状のカニみそをお召し上がりください。それから、ペンチで爪と脚を割って、カニの身を取り出します。最後に、鉄製の串を使って、間接の中に残っているカニの身を押し出します。
(1)蟹の爪を開けるためのハサミ
(2)蟹爪の身を取り出すためのピンセット
(3)蟹を食べた後で手を洗うフィンガーボール
日本ではあまり食べることの出来ない上海がにを一度ご堪能下さい。